脳神経外科コラム

  • HOME
  • 脳神経外科コラム

すべてのコラム一覧

はかり知れない可能性

1960年代、手術用顕微鏡の導入によるマイクロサージェリーの普及により、脳神経外科の歴史は大きく発展し、同時にそれまで外科の一部であった脳神経外科は独立した講座として各大学で続々と開講し大きな転換が図られました。わが国の脳神経外科は、専ら手術に特化している欧米の脳神経外科とは異なり、脳・神経に関わる全般的領域を扱う診療科です。このような背景から、現在脳神経外科は......

脳神経外科のすすめ

このコラムを開いた医学生・初期研修医の皆さんは、何らかの形で脳神経外科に対して興味をお持ちの方だと思います。脳そのものへの興味、脳や神経の疾患への興味、脳神経手術への興味、様々だと思います。
それでは脳神経外科への印象はどのようなものでしょうか。脳神経外科は、新専門医制度でも「基本領域」の診療科であり、その治療・研究分野は非常に幅広く日々進歩し多岐にわたります。......

めぐりあい

医学生・初期研修医の皆さんも小説などの文学作品を読まれる機会も多いと思います。私も学会出張や眠れぬ夜などライトタッチな小説を読んでいます。数年前にはお笑いコンビピースの又吉直樹さんが芥川賞を受賞され、話題になりましたが、文学の世界ではどんどん新人が現れ、大きく羽ばたいていかれます。スタートから注目される作家、苦節何年の後に大成する作家、さまざまです。文学にとどまらず、美術の世界でもそうです。......

好きこそものの上手なれ

多くの問題点を指摘されながら2018年に始まった新専門医制度も少しずつ軌道に乗りつつあるが、将来の専門分野の選択は昔も今も医学生・研修医の最大の関心事である。職業柄、医学生や研修医と接する機会は多いが、彼らの多くは脳科学・神経科学は奥が深く学問的に興味深い分野と感じているものの、脳神経外科を含む神経科学領域を専門としたいと考えている人は比較的少ないようである。......

ペンフィールドのホムンクルス

ペンフィールドのホムンクルスをご存知だろうか。顔や舌、親指が異常に大きく、奇妙な形のコビトの図で、大脳の運動野や体性感覚野に体の部位を対応させて描かれている。この図は、カナダの脳神経外科医ペンフィールドがてんかんの手術の際に脳を電気刺激して、反応があった領域の面積に応じて体の各部分を描いたものである。この図が示すように脳が司る機能は、機能毎に部位が決まっていて、それを機能局在と言う。......

脳神経外科を目指す皆さんへ

脳神経外科医とはどのような仕事でしょうか。「難しい」「忙しい」、「手先が器用でないといけない」などハードルが高い科と思っている皆さんが多いのではないでしょうか。その他に医学生の時に神経解剖学が苦手であった人も多いかもしれません。私自身もそうでした。それでは、なぜ、私は脳神経外科医になったのでしょうか。「なんとなく、かっこいい」という理由かもしれません。......

研修医諸君!

研修医諸君、少しだけ先輩として君たちへのアドバイス。

まず、第一に謙虚であること。どんなに教科書を読んで勉強したとしても、知らないことを自分ひとりで判断してはいけない。知らないことは、素直に知らないと、何でも人に聞けばいい。教科書に書いてあることがいつも正しいとは限らないし、教科書より周りの先輩の言うことの方が信頼できる。知らないことは恥ではない。知らないことを知っている気になっていることが一番いけない。私など、今でも知らないことばかりで、いつも人に教えてもらっている。......

医学生・研修医向けホームページ事始め

2004年医師の初期臨床研修制度が変わった。それ以前より都市部を中心とした一部の病院、大学ではローテート研修が行われていたし、自分のように脳神経外科に直接入局した者も卒業後の2年間は医員(研修医)という身分であり、麻酔科などを回って研修を受けていたわけだが、2004年からは医学部を卒業すると最初の2年間に内科、小児科、産婦人科、精神科、救急などを中心としたローテート研修をすることが必須となった。......