脳神経外科コラム

これからは女性脳神経外科医の時代?―TVドラマで見る脳神経外科医―

TVドラマは、視聴者にさまざまな職業やキャリアのイメージを提供するため、特定の職業に興味を持つきっかけとなることがあります。TVドラマは時代背景や社会情勢を反映することが多く、社会の変化によって登場する職業も変わります。TVドラマでよく見かける職業は、刑事や教師、そして医療従事者も描かれることの多い職業です。

では脳神経外科医が主人公のドラマにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

若い研修医や医学生の皆さんは聞いたことがないかもしれませんが、ある一定以上の年代の方々(脳神経外科医とは限りません)が“脳神経外科医が主人公のドラマ”として思い浮かぶのは、1961年から1966年まで放送されたアメリカのTVドラマ「ベン・ケーシー」だと思います。青年脳神経外科医ベン・ケーシーの成長を描き、高い評価を得たドラマです。ユニフォームに“ケーシー”というのがありますが、このドラマの主人公に由来しています。

 

次に取り上げるのは、村上もとかの漫画「JIN-仁-」を原作としたTVドラマで、江戸時代にタイムスリップした脳神経外科医の活躍を大沢たかおが演じました(2009年)。

さてここからが本題です。上述のドラマ以外に脳神経外科が主人公のドラマを挙げると、2007年に藤原紀香主演で放送された「美貌のメス 脳神経外科医・津山慶子」(原作 門田泰明)。2020年に天海祐希主演で放送された「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」。2020年の韓国ドラマ「賢い医師生活」では5人の主人公のうちの一人がチェ・ソンファ演じる脳神経外科医です。ドラマで活躍する女性としては「ドクターX」の大門未知子(米倉涼子)が有名ですが、男性医師が主人公のドラマはたくさんあり、決して大門未知子に引きずられている訳ではないと思います。本学会HPのQ&Aに、「脳神経外科医は⼥性にも向いているのでしょうか?」という質問がありますが、「卒後20年までの女性会員の割合は約12%、専門医は約440名と増えてきています。顕微鏡や血管内手術など繊細な手術が多く、⼥性の⽅が向いているとも言えます。特に最近の女性の若手専門医の台頭には目を見はるものがあります。」が答えです。

今後は、これまで以上に女性の活躍が期待されています。

山形大学医学部総合医学教育センター

佐藤 慎哉