プロになるということ
私は運良く(?)脳神経外科のプロになり、約35年になります。給料をいただくということはプロですから、それに見合った仕事をする必要があります。でも、他人からあれこれ指図されて、それに従うだけでは嫌になりませんか? 残念ながら、年齢を重ねて立場が変わっても、内容は異なるけれども何らかの指図を受けるのは同じです......
私は運良く(?)脳神経外科のプロになり、約35年になります。給料をいただくということはプロですから、それに見合った仕事をする必要があります。でも、他人からあれこれ指図されて、それに従うだけでは嫌になりませんか? 残念ながら、年齢を重ねて立場が変わっても、内容は異なるけれども何らかの指図を受けるのは同じです......
学生アンケートによると、脳神経外科医に対して抱くイメージの多くは「高度な手術技術」という難易度の高い手術のイメージが強いようです。しかし私が抱いている脳神経外科医のイメージは少し違います。脳神経外科医は、外科医というよりむしろ神経系の総合診療医といった方が正確な気がします。
脳神経外科の救急患者さんの多くは......
桜の季節が近づき、大学病院の渡り廊下に学内向け新人勧誘のポスターが並びました。様々に趣向を凝らし、それぞれの科の魅力を伝えようとしているようです。そして、私たちが今年のポスターに書き入れたのは『私、脳神経外科医』というメッセージでした。
神秘的で、文字通り中枢にあって、それ自体が美しいなと思える脳。直接脳に......
このコラムを読んでいるレジデントや医学生の先生の多くは、脳外科医になった後に海外留学をしてみたいという希望をお持ちではないかと思います。また海外留学はたいへんだなと思っている先生でも海外学会には是非参加したいとお考えではないでしょうか。
私が脳外科医になって最初の海外学会では、当時の教授の海外学会出張に......
本コラム原稿の執筆依頼をいただいた時、ちょうど当科に選択で臨床実習に参加している医学部5年生と選択研修で研鑽を積んでいる初期研修医(1年目)がいましたので、彼らに脳神経外科実習、研修を選択した理由、実際に実習、研修してみての印象などについて聞いてみました。彼らに了承を得て本稿では彼らの意見を掲載させていただくことにしました......
2022.08.01のコラムの続編です。このコラムを開いた医学生・初期研修医の皆さんは、何らかの形で脳神経外科に興味をお持ちの方だと思います。脳そのものへの興味、脳や神経の疾患への興味、脳神経手術への興味、脳神経外科医そのものへの興味、様々だと思います。脳は何と言っても特別な臓器であり、21世紀の現代においてもまだ神秘に満ちています......
かつて、ブラックジャック「されどいつわりの日々」を題材に、整形外科医で現在日本医師会常任理事をされている長島公之先生と対談をしたことがあります。事故で四肢麻痺になった女性タレントをブラックジャックは手術するのですが、「治るはずなのに治らない」、この女性タレントは、あるきっかけでよくなり、芸能界に復帰したのですが......
TVドラマは、視聴者にさまざまな職業やキャリアのイメージを提供するため、特定の職業に興味を持つきっかけとなることがあります。TVドラマは時代背景や社会情勢を反映することが多く、社会の変化によって登場する職業も変わります。TVドラマでよく見かける職業は、刑事や教師、そして医療従事者も描かれることの多い職業です。では......
皆さんは脳神経外科医と聞いて何を思いますか?
スーパードクター?超人?変人?ワーカホリック?
良い印象も悪い印象もあるかと思いますが、「少し変わった人」と思う人は多いのではないでしょうか。
脳神経外科医みんなが学生、研修医の時にスーパーだったのではありません。私自身、臨床実習で脳神経外科に憧れを抱いたものの......
外科医にとって手技、手術の修得は重要な課題だ。採血や静脈ラインの確保に始まって、中心静脈穿刺に動脈穿刺、腰椎穿刺に気管内挿管や気管切開。できる手技が少しずつ増えていくと、何となく自分が医者らしくなったと思えてくる。ちょっと嬉しいし、鼻も高い。でも、少しできるようになったからといって満足しないでほしい......