医師が患者になった時2 〜治療を受けながら働く〜
先日、化学療法が終了した。診断から2年半、4回の手術と4つの化学療法レジメンを経て、今の所は再発なく経過しているようだ。
生まれて初めてがん治療を行うにあたって、......
先日、化学療法が終了した。診断から2年半、4回の手術と4つの化学療法レジメンを経て、今の所は再発なく経過しているようだ。
生まれて初めてがん治療を行うにあたって、......
自分が大学を卒業した時代にはまだ現在のような2年間の初期研修が必修化されていなかったため、大学を卒業してすぐに脳神経外科のレジデントになりました。インターネットもそれほど発達しておらず学会のホームページすらあったかどうか怪しい時代に、どうやって重要な決断をしたのでしょうか。この時代に自分が進路に悩む若者であったなら、……
我々脳神経外科医が日々接する脳は、重さ約1.4kgの柔軟かつ脆弱な臓器である。血液の流れによって拍動するその内部には、人間らしさの神秘が秘められている。古代エジプト人は、……
2023年、渡航制限を伴ったコロナが終わり、佐賀大学の臨床実習の一環として、脳神経外科海外研修を開始しました。希望した学生は…...
臨床実習に回ってくる学生さんと話していると時々「脳がきれいでびっくりしました」と言われることがあります。その言葉を聞くと私自身も嬉しくなり、「そうだよね!そう思うよね?」と周りの他の学生にも賛同を求めたくなります。例えば......
「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」は山本五十六元帥の有名な格言である。上杉鷹山の「してみせて 言って聞かせて させてみる」から影響を受けているとされるが、若い医師に対する指導(特に手術手技)の際に使えるお言葉である。
小生もこの4月に還暦を迎え、年功序列的にいろんな役割が増えてきた。当院では働き方改革に伴い、......
手術は怖い・・・いや、される側の話です。私も過去に咽頭手術、胃切除、二度の眼科手術、口腔外科手術を受けましたが、命に関わらないと分かっていても怖いものでした。ましてや脳手術となれば、患者の不安はいかばかりか。知性と命を、他人である執刀医に委ねるのですから。
「脳外科医アダムスのルール」(クリス・アダムス 著、佐藤周三 訳、医学書院、2001年)という本に、・・・
私は運良く(?)脳神経外科のプロになり、約35年になります。給料をいただくということはプロですから、それに見合った仕事をする必要があります。でも、他人からあれこれ指図されて、それに従うだけでは嫌になりませんか? 残念ながら、年齢を重ねて立場が変わっても、内容は異なるけれども何らかの指図を受けるのは同じです......
学生アンケートによると、脳神経外科医に対して抱くイメージの多くは「高度な手術技術」という難易度の高い手術のイメージが強いようです。しかし私が抱いている脳神経外科医のイメージは少し違います。脳神経外科医は、外科医というよりむしろ神経系の総合診療医といった方が正確な気がします。
脳神経外科の救急患者さんの多くは......
桜の季節が近づき、大学病院の渡り廊下に学内向け新人勧誘のポスターが並びました。様々に趣向を凝らし、それぞれの科の魅力を伝えようとしているようです。そして、私たちが今年のポスターに書き入れたのは『私、脳神経外科医』というメッセージでした。
神秘的で、文字通り中枢にあって、それ自体が美しいなと思える脳。直接脳に......