脳神経外科を目指す皆さんへ
脳神経外科医とはどのような仕事でしょうか。「難しい」「忙しい」、「手先が器用でないといけない」などハードルが高い科と思っている皆さんが多いのではないでしょうか。その他に医学生の時に神経解剖学が苦手であった人も多いかもしれません。私自身もそうでした。それでは、なぜ、私は脳神経外科医になったのでしょうか。「なんとなく、かっこいい」という理由かもしれません。“脳神経外科=かっこいい”は多くの皆さんも同意してもらえるのではないでしょうか。
それでは、なぜ「かっこいい」という評価が出てきたのでしょうか。それは、人間を人間たらしめる「脳」を扱う外科であることや、手術成績が生命や障害に直結することが挙げられるかと思います。これらの特徴は、今私が年齢を重ねてきて脳神経外科医としての「やりがい」と考えていることに重なります。学生や研修医の皆さんも、クリニカルクラークシップや授業で、先輩たちの顕微鏡手術、内視鏡手術、カテーテル治療などのスペシャリストの働き方や病棟や外来での神経疾患の患者さんに関わっている先輩方の姿に触れて「脳神経外科、いいかも」と思っていれば、恐れず、自分の進む道として「脳神経外科」を選んでほしいと思います。
長年、若者たちを見てきて、自分の心に響いた道(理屈や打算ではなく)をシンプルに選んだ人間が、その後充実した人生を歩めるように思います。「難しい」「手先は、、、」は現在の手技の標準化や機器の発達で、「忙しい」は働き方改革やセンター化によりクリアされてきています。
「やりがい」のある魅力的な「脳神経外科」を是非、自分の進む道として選択してください。我々が責任を持って「脳神経外科医」として育てていきます。
卒前卒後教育検討委員会委員長
徳島大学大学院医歯薬学研究部脳神経外科
髙木康志