医学生・研修医向けホームページ事始め
2004年医師の初期臨床研修制度が変わった。それ以前より都市部を中心とした一部の病院、大学ではローテート研修が行われていたし、自分のように脳神経外科に直接入局した者も卒業後の2年間は医員(研修医)という身分であり、麻酔科などを回って研修を受けていたわけだが、2004年からは医学部を卒業すると最初の2年間に内科、小児科、産婦人科、精神科、救急などを中心としたローテート研修をすることが必須となった。研修先は臨床研修病院の中から自分で選択して応募するようになり、人気のある都市部の病院に研修医が集中した。2004年、2005年は全国のどこの医局にも入局者がなく、2年間の辛抱、2006年には元に戻ると思っていたところ、初期研修後も引き続きローテート研修を希望するする医師もいて、入局者は元のようには戻らなかった。その結果起きたことは、若手医師が都市部に集まり、身体、精神的に比較的負担の少ない診療科を選択する医師が増加し、医師の地域偏在、診療科偏在が著しくなるとともに、入局することなく個人単位での病院勤務医が増え、キャリア形成できない医師が増加した。
高い志を持って医師になった若者たちが自らのキャリアを形成し優れた医師に成長していくためには良き指導者、メンターが必要だ。日本脳神経外科学会は学会として医学部における卒前教育、卒後教育における脳神経外科教育の改善に努めるとともに、この遣り甲斐があり発展し続けている脳神経外科の魅力を若手医師に伝えるためにさまざまな機会を通じて発信してきた。フェイス toフェイスで直接伝えることこそ原点だか、一昨年からのコロナ禍でそれも困難になった。フェイス toフェイスのコミニュケーションに変わるものではないが、脳神経外科臨床の真の魅力、現状を伝え、また若手医師の疑問にも率直にお答えできるような双方向性のツールとして、この度医学生・研修医向けホームページのサイトをアップした次第である。是非、有効に活用していただきたい。
前 卒前卒後教育検討委員会委員長 岩間 亨